相互作用

シクロスポリンとスタチン系 禁忌でなければ併用できる?

はじめに

併用禁忌

薬剤師の誰もが添付文書で意識する重要な項目ですね。

絶対に見逃すまいと日頃から目を光らせていることでしょう。

では逆に禁忌に該当しなければ併用しても大丈夫なのでしょうか?

この記事ではその問いに対する答えと考え方のヒントをお伝えします。

併用薬に対する処方監査のレベルアップに繋がりますので、ぜひご覧ください。

症例と結論

まず一つの症例をお示しします。

あなたの勤める薬局に
シクロスポリンカプセルを皮膚科から処方されている患者さんが来局されました。

先程受け取った処方箋にはロスバスタチン錠が記載されています。

後輩の薬剤師は上記2剤が併用禁忌だと気付きます。

そして、添付文書上で禁忌にあたらない
アトルバスタチンに変更しましょうとあなたに提案しました。

あなたならどう対応しますか?

添付文書上は禁忌に該当しないから
後輩の提案通りに疑義照会すれば良いのでしょうか?

結論は

疑義照会すべきだが、内容は修正する必要がある

です。理由をお伝えします。

国立医薬品食品衛生研究所によれば下記の報告があります。

すべてのスタチン系薬剤について,cyclosporineの併用投与による血中濃度の変動に関する文献が報告されていた。これらは全て移植患者から得られたデ ータであるが,cyclosporine 併用時のスタチン系薬剤のAUCはいずれも単独投与に比べて3倍以上に増加していた.

<引用>
シクロスポリンによるスタチン系薬剤の著しい血中濃度増加作用とその機序及び添付文書における情報の解析
平田睦子, 齋藤充生, 三宅真二, 長谷川隆一 国立医薬品食品衛生研究所報告, 37-40, 2005

この事実を見落としてしまうと
後輩の提案通りに処方が変更になったとしても、リスクは残り続けることになります。

このエラーを回避するには

同系統の薬剤が禁忌であるなら、類似薬にも疑いの目を持つ

という視点が大切になります。

以上をふまえて

今回の事例では
医師に血中濃度上昇や薬剤蓄積による
横紋筋融解症などの副作用リスクが高くなるおそれがあることをお伝えし

それを承知で

  • 併用禁忌でないスタチン系薬剤
  • 別系統の薬剤

への変更を尋ねると良いと考えます。

まとめ

禁忌の記載なし=必ずしも安心ではない


特に類似薬が併用禁忌であるなら要注意

 

少しでも皆さんの学びになれば幸いです。

それでは!